『教えない授業』~体育が苦手でも体育が好き?~

体育で学ぶ内容として、学習指導要領には、体つくり運動・器械運動・陸上競技・水泳・球技・武道・ダンス・体育理論という領域が示されています。

より高く跳び箱が跳べます。きれいなフォームでより速く25Mが泳げます。より強いアタックを打つことができます。リズムに合わせてより上手に踊れます。体育の授業で求められることです。先生が、一方的に上手にできるコツを教え、何度も練習をして、数週間後にテストを行う。一般的に行われている当たり前の体育の授業です。体育の授業はそれだけでいいのでしょうか?

今度の腕の位置はここで!!
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みんなで相談中!
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トキワ松学園高校一年生の50M走の授業です。一週目はわざと先生が今まで通り一方的に速く走るコツを教える授業をします。そして二週目以降は「教えない授業」です。それぞれのグループに分かれ「地面の蹴り方」「腕の振り方」について意見を出し合い、それを実践していきます。他のグループの意見を聴いて共通点を見出したり、新たな考えに出会ったり、オリンピックの100M走をイメージしたり、ただ単に50Mを速く走るという結果だけにこだわるのではなく、失敗を重ねて修正し、次につなげる作業をみんなで経験しながら授業が進んでいきます。体育が得意でも苦手でもみんなが参加し、みんなでつくる授業です。それぞれが得意でも一生懸命、苦手でも一生懸命に取り組めます。個々の能力を大切にし、一人ひとりが達成感を感じることができ、“自然に対話と協同が生まれる”そんな体育の授業から生涯を通じて心身が健康であるための実践力の育成を目指したいものです。

結果を発表しています!
結果を発表しています!

次は創作授業・体育理論(2学期・高校二年)についてお知らせし、また、3学期には器械運動(高校一年)でタブレットを使いながら、見比べ修正してポイントを考えて行う授業を紹介します。