トキワ松のICT教育実践例(世界史編)

先日の「トキワ松学園からのお知らせ」で、英語科ICT教育の実践例を紹介しましたが、今回は高校世界史の実践例を紹介します。

今年度の高校3年生(文系特進)の世界史では、eラーニングのシステムとしてmoodle(ムードル)と、授業中の板書にPrezi(プレジ)を利用しました。moodleは主に予習用のビデオを視聴したり、確認テストや課題の配布回収など、さまざまな学習活動に利用しています。Preziはプレゼンテーションで利用するソフトですが、パワーポイントと違いウェブ上で生徒がいつでも授業の板書を見ることができ、予習復習ができるのが最大のメリットです。また、moodleとPreziともに、自分のスマートフォンやタブレット、パソコンなど、インターネット環境さえあれば学習できるのも大きなメリットです。(入学段階でiPadを必ず購入するなどの費用的な負担がありません。)


moodle
moodleの画面。単元ごとにメニューがあり、予習・復習をすることができます。

 

moodle2

同じくmoodleの画面です。授業では主に予習動画を視聴するのに利用しました。動画はすべて2~3分です。担当者は1年で100本以上の動画を作りました(^^;)

 

Prezi2

Preziの画面です。授業中は板書として利用していますが、Preziはインターネット上で公開していますので、いつでも自分のiPadやスマートフォン、パソコンで見ることができます。

 

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授業の様子。板書は基本的にPreziで行い、補足的にホワイトボードを使用します。

 

【1時間の授業の基本的な流れ】
①moodleを使って予習(生徒) → ②毎時間の最初に小テストを行い、予習状況の確認(生徒) → ③Preziを使って各単元の要点を整理(教員) → ④各単元について意見交換(生徒・教員)

受験科目である歴史は、知識や単語の定着を意識しつつ、教科書の内容をすべて終わらせることが中心になりがちです。しかし、ICT機器を用いた「反転学習」スタイルをとることで、知識の定着と授業の進度を両立させながら、単元についてディスカッションする時間をとり、歴史を学ぶ意義や、学んでいることが現在の世界をどう結び付けて考えるかという点まで踏み込むことができます。これにより従来の「受験勉強」にとどまらず、今後の高大接続改革(入試改革)にも対応できる力を身につけることができると考えています。

今後も改善をしながら、知識の習得をしながら、世の中を視野に入れた「考える力(思考力)」を身につけた生徒を育てていきたいと思います。