毎年この時期になると、高校二年理系クラスの生物選択者は、自分達が研究したいテーマを決めて実験に取り組みます。この研究は生徒たちが中心となって行うため、数多くの失敗があります。
しかし、この失敗体験が重要で、「どうして上手くいかなかったのか」ということを、とことん考え抜きます。そして、何度もチャレンジを繰り返していく中で本当の力がついてくるのです。今年もそのチャレンジが始まりました。3月にはこの研究を発表するプレゼンテーションも開かれます。今年はどんな成果が得られるか、楽しみです。
1月15日(火)高三の教養講座の一環として、東京地方裁判所、高等裁判所の傍聴を行いました。いつもニュースの向こうの裁判所。実際に裁判を見るのは初めて!という生徒たちは真剣な表情で傍聴していました。以下は生徒たちの傍聴レポートです。
① 自動車による業務上過失致死;運送会社に勤める4トントラックを運転していた男性が、交差点で左折する時に男性をひき、死なせてしまった事件。遺族は被告人にも家族があることから、重い刑罰を受けなくてもいいが、法律に従って罪を償ってほしい、と言っている。
被告人は終始うなだれていて、とても反省している様子でした。本当に自分のしたことを悔やみ、罪を償おうとする姿勢がとてもよく伝わってきました。私は中央の席に座っていたのですが、左側に座っていたのはおそらく遺族の方だと思います。男の子、女の子もいて、ずっとすすり泣いていて、とてもかわいそうだと思いました。自分の父親が突然事故で亡くなってしまうなんて、想像するだけでも悲しくなるのに、その犯人が目の前で話している姿を見るというのは私だったら耐えられないと思いました。しかし被告人が反省している姿は、遺族の方にも伝わったのではないかと思います。今回初めて裁判を見ましたが、また見てみたいと思いました。とても良い経験ができました。(A・N)
証人の証言というものを初めて見ました。一言一言がとてもリアルで、被告人側の家庭の事故後の生活の様子などがとてもよくわかり、交通事故などは他人事ではいられないと思いました。 殺そうと思って起こした事故でなくても、してしまったことは重い罪であり、いつ誰の身近に起こってしまってもおかしくないことだと思うと、本当に日々の緊張感を持って生活しなければならないと思います。日々の生活の中で普通にある車の事故だからこそ、より怖いと感じました。(M・H)
②覚せい剤の所持と使用;被告人は平成21年にも覚せい剤の所持と使用で2年服役している。しかし平成24年10月22日に再び覚せい剤を購入し使用してしまった。
一度覚せい剤の気持ちよさを知ってしまうと、すぐには忘れられないということをこの法廷を通して学ぶことができました。被告人は「魔がさした」と言っていましたが、「魔がさして」という理由だけで罪を犯していいものではありません。犯行時はいつも親身になってくれた母の顔が浮かばなかったそうですが、その証言からも覚せい剤に対する欲が強いんだなと感じました。覚せい剤から抜けるのは大変ではあると思いますが、本当に反省してほしいです。(M・M)
③強盗致傷;酒に酔った男性がトンネル内で女性に対し「金を出せ」と脅迫し、けがを負わせた。検察、弁護人、被告人ともに強盗致傷で一致しており、「どのような罪にするか」という量刑を決めるための裁判。
裁判といえば、被告人の無罪か有罪かの判断とともに、弁護士は被告人を無罪にするように求めるというものだと思っていたので新鮮でした。犯罪を犯すのはもちろんいけないことですが、酔って記憶にない状況下はとても辛いだろうと思いました。ただ被告人はとても背が高かったので、被害者の方のことを思うと抵抗もできなかったと思います。今回の被告人は28歳の時にも一度犯罪を犯しているということで、初犯ではなかったのでとても生々しく感じました。(略)以前の犯罪から常に気をつけてはいたということですが、やはりお酒で酔ってしまって、このような状況になってしまったので、飲酒運転などその他の犯罪にもつながらないようお酒を飲む際は本当に注意が必要だと思いました。(A・O)
エントランスにお菓子の箱と宣伝ポスターが展示されました。毎年恒例になっている、高校二年生の政治経済の授業「バーチャル会社経営」の作品です。
バーチャル会社経営は文系のクラスで6,7人のグループを作り会社名をつけ、社長、財務、制作、営業などの役割分担をし、「新商品のお菓子のパッケージ作り」と「その商品販売促進のための広告の作成」をするものです。各会社とも事業計画を立てプレゼンテーションを行い、株式や新商品の販売を行います。そして、3学期に株主総会を開き決算報告をします。
生徒たちは、会社経営をすることで、会社が社会に果たす役割を学び社会の仕組みの一端を知り、進路を考えるきっかけともなっていきます。
高校の保健の授業では「生老病死」をテーマに掲げています。生きること、老いること、病気について、そして死について、授業を進めていきます。高校2年生の2学期は”臓器移植”について考えます。9月から臓器移植について学んできましたが、11月27日と29日に移植コーディネーターの2名(2日目は実際に症例情報対応が入ったため、急遽1名で)にお越しいただき、「一人ひとりのいのちを大切に」というタイトルの下、A組からE組まで各クラスに対し50分間、現場での対応を中心に、お話ししていただきました。
講義が終わってからも、熱心にコーディネーターに質問する生徒も多くいました。
講義を終えた生徒たちの感想を一部紹介します。
「今まであまり深く関わったことはありませんでした。どこか他人事のように考えていました。今日の話を自分に置き換えて考え、とてつもなく重い問題だと思いました。」
「自分の意思を伝えなければいけないと思った。家族で話し合い、両親にしっかり伝えたい。」
「いのちのこと、生きること、死について考えるたびに、私は本当に幸せな環境の中で過ごしているんだと実感します。改めて死について考えさせられました。」
「この話を家族にも話したい。いつ何時、死が訪れるか分からないので、自分の最期が望み通りになるためにも、そして家族の最期が望み通りになるためにも、常に死について考えていることは必要なことだと分かりました。」
なお、高校2年生の3学期の保健・授業内容は、高齢者医療、尊厳死・安楽死についてです。
本日のランクアップ講座で、理科は『ものとその重さ』をテーマに『仮説実験授業[E:flair]』を行いました。
仮説実験授業というのは、ある問題に対して一人ひとりがまず仮説を立ててその理由を述べ合い、もう一度仮説を立て直し、その後実験をして結果を得て、自分たちの立てた仮説を見直すというものです。
これを何度も繰り返していく中で、ある法則に気がついたり、正しい答えは必ずしも多数決で決まるものではないことに気がついたり、人にはそれぞれの考え方があることに気がつくなど、色々なことが学ぶことができる授業です[E:eye][E:shine]
普段の授業とはまた違った視点で科学を見直すことができる機会になったのではないかと思います。
活発な討論を展開してくれた皆さん、ありがとう[E:sign03]
本日は、1学期に1回理科が主催しているサイエンス講座の日です。
今回は、神奈川工科大学応用化学科 斎藤 貴 教授にお越しいただき、
新たな機能を持った医薬品のカプセル開発について、お話いただきました。
経口投与の薬は、普通に粉などで飲み込むと、一気に効果が発揮されてしまい、
身体の中のその薬の濃度が濃くなってしまうと、効果だけでなく副作用が現れてしまうこともしばしば。
そこで、現在、一気に薬を放出せずに、じわじわとゆっくり薬を放出するように
仕掛けを持ったカプセルが、各種考えられています。
その中でも、斎藤先生の研究室では、温度によって変化する物質を使って、
熱が出たときだけ解熱剤を放出するようなカプセルを研究されているそうです。
とても難しい内容も入っているお話だったのですが、
中学1年生にもわかりやすく、そして高校生には興味深く講義をしてくださり、
生徒たちは非常に満足していました。
実際にその薬を包み込むための高分子化合物や、カプセルなどを手にとって
見ることもでき、講義が終わったあとには、
「温度を変えてみたい」とお湯を持ってきて、温度でどんどん縮んでいく様子を
みんな興味深く観察していました。