3学期の授業から~「貿易ゲーム」

3学期にトキワ松学園で行われた授業で、トキログでご紹介できなかったものがたくさんあります。そのなかのいくつかを年度末にご紹介します。

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今回ご紹介する講座は、「貿易ゲーム」です。この講座は高校3年生の教養講座として行われましたが、今回は高校二年生の政治経済の授業と合同で開催しました。

貿易ゲームでは、紙を資源に、文具を生産手段に見立てて製品を生産し、マーケットで販売して最終的にどれだけの富を築くことができるかを競い合います。

10カ国に分かれた生徒達が、ゲーム開始の合図とともに自分達の国に渡された袋を開くとすぐにあちこちから「あれ?」という声が…
実はこのゲームでは、あらかじめ与えられる道具や紙や資金に大きな格差があり(現実の世界と同様に)、製品を作って稼ごうにもハサミも定規もない国があるのです。

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戸惑う生徒に向かって、「さて、これは“貿易”ゲームですから、周りの国もよく見てください」と声をかけると、ようやくこの「世界」の仕掛けに気づいた生徒達は立ち上がって他国との交渉をはじめました。

「はさみを100ドルで売ってください」「200ドルでレンタルなら…」
「私の国には何もないので、働かせてください!」

世界を股にかけて交渉に徹する生徒、黙々と製品を作る職人気質な生徒、与えられた道具だけで高額製品を作ろうと図形の計算をする生徒…どの生徒も必死に利益を追求していきます。

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そんな生徒をさらに追い込むように、物価の暴落や、道具の貸与という国際支援、一部の国に対する有利な情報の伝達、新たな資源の発掘など、ゲームの最中には沢山のハプニングが起こりましたが、その度に生徒はたくましく「世界」の流れに対応して、ゲームはどんどんと熱を帯びていきました。

今回のゲームの勝敗は先進国が優勢のようでしたが、様々な工夫によって善戦した国も多く、ゲーム終了後には「もっとやりたかった!」いう沢山の声が聞かれました。
の後、振り返りシートを使って、ゲーム中に起きた様々な出来事や、自分達の工夫が現実世界の何にあたるのかを考え、話し合い、解説をしました。

超過供給が招く物価の暴落、資源の分配の不平等と南北問題・南南問題、産業廃棄物、自由貿易と保護貿易の違い…どれもこれまでの授業の中で学んできたことですが、今回のゲームの疑似体験によって、さらに理解が深まり、今後につながってくれたらと思います。