高三教養講座 裁判傍聴②

 2014年2月21日(金)。いつもは自分たちが興味のある裁判を傍聴する「裁判傍聴講座」ですが、今回は初めて傍聴整理券をもらうために東京地裁の前に並びました。「傍聴券」というのは、裁判を見たい人=傍聴を希望する人が大勢いる事件の場合に発行される券で、事前にくじを引き、当たった人のみ裁判を傍聴できるというものです。私たちが並んだのは1995年に起きた「オウム真理教」に関する爆破事件。将来を期待された多くの優秀な若者が教団に入信し、次々に事件を起こしたことは時々テレビでも特集されるのでご存知の方も多いと思います。今回の裁判では17年間逃亡し、その後出頭した人物が被告人(=裁判で「犯罪を行った」と訴えられる人)です。さぞや傍聴希望者が多いことだろう…と思ったにもかかわらず、列に並んだのは70~80名ほど。「あれ?これだけ?」とちょっと拍子抜けでした。法廷は東京地裁の中で一番大きい場所で、だいたい100名が入れます。「もしかしてトキワ生全員が当選するかも…」と思ったけれど、結局11名中6名(教員1名を含む)が当選。有名な裁判を間近で見ることができました。

そして3月7日(金)。判決は求刑懲役12年に対し、懲役9年。生徒たちはどのように感じたのでしょうか。以下は生徒の感想です。

被告人はスーツを着ていて髪も短く清潔感のある身なりだったので、初めは被告人だと思えませんでした。受け答えも丁寧な話し言葉であり、裁判所職員に囲まれながら裁判官に応答をしている姿には違和感がありました。こうしたカルト教団(=狂信的宗教集団)に絡んだ事件は、それまで普通に生活をしていた人までもが洗脳やマインドコントロールによって犯罪に手を染めてしまうとは聞いていましたが、今回のさいばんはそうした現実をありありと映し出しているように感じました。特にオウム真理教関連の事件は、世間からは「エリート」ト『呼ばれるような人が洗脳によって犯罪行為に及んだという印象が強いです。地方から上京した未来ある若者の孤独に教団側が付け込んだという話を耳にしたことがあります。自分の子供を信じて送った両親の気持ちや、加害者にあったはずの未来、そして理不尽に命を奪われた人々のことを考えるとオウム真理教という組織を私は許せません。証人として登場した拉致され、亡くなった方の息子さんが涙ながらに語った話も非常に重々しかったです。今後このような悲劇が起こらないようにするためにも、洗脳やマインドコントロールの手法を徹底的に研究し、国民に知らせることが必要なのではないかと思いました。   (R・S)