高三教養講座 裁判傍聴①

1月15日(火)高三の教養講座の一環として、東京地方裁判所、高等裁判所の傍聴を行いました。

いつもニュースの向こうの裁判所。実際に裁判を見るのは初めて!という生徒たちは真剣な表情で傍聴していました。以下は生徒たちの傍聴レポートです。

① 自動車による業務上過失致死;運送会社に勤める4トントラックを運転していた男性が、交差点で左折する時に男性をひき、死なせてしまった事件。遺族は被告人にも家族があることから、重い刑罰を受けなくてもいいが、法律に従って罪を償ってほしい、と言っている。

・被告人は終始うなだれていて、とても反省している様子でした。本当に自分のしたことを悔やみ、罪を償おうとする姿勢がとてもよく伝わってきました。私は中央の席に座っていたのですが、左側に座っていたのはおそらく遺族の方だと思います。男の子、女の子もいて、ずっとすすり泣いていて、とてもかわいそうだと思いました。自分の父親が突然事故で亡くなってしまうなんて、想像するだけでも悲しくなるのに、その犯人が目の前で話している姿を見るというのは私だったら耐えられないと思いました。

 しかし被告人が反省している姿は、遺族の方にも伝わったのではないかと思います。今回初めて裁判を見ましたが、また見てみたいと思いました。とても良い経験ができました。(A・N)

 

・証人の証言というものを初めて見ました。一言一言がとてもリアルで、被告人側の家庭の事故後の生活の様子などがとてもよくわかり、交通事故などは他人事ではいられないと思いました。

 殺そうと思って起こした事故でなくても、してしまったことは重い罪であり、いつ誰の身近に起こってしまってもおかしくないことだと思うと、本当に日々の緊張感を持って生活しなければならないと思います。日々の生活の中で普通にある車の事故だからこそ、より怖いと感じました。(M・H)

 

②覚せい剤の所持と使用;被告人は平成21年にも覚せい剤の所持と使用で2年服役している。しかし平成24年10月22日に再び覚せい剤を購入し、使用してしまった。

・一度覚せい剤の気持ちよさを知ってしまうと、すぐには忘れられないということをこの法廷を通して学ぶことができました。被告人は「魔がさした」と言っていましたが、「魔がさして」という理由だけで罪を犯していいものではありません。犯行時はいつも親身になってくれた母の顔が浮かばなかったそうですが、その証言からも覚せい剤に対する欲が強いんだなと感じました。覚せい剤から抜けるのは大変ではあると思いますが、本当に反省してほしいです。(M・M)

 

③強盗致傷;酒に酔った男性がトンネル内で女性に対し「金を出せ」と脅迫し、けがを負わせた。検察、弁護人、被告人ともに強盗致傷で一致しており、「どのような罪にするか」という量刑を決めるための裁判。

・裁判といえば、被告人の無罪か有罪かの判断とともに、弁護士は被告人を無罪にするように求めるというものだと思っていたので新鮮でした。犯罪を犯すのはもちろんいけないことですが、酔って記憶にない状況下はとても辛いだろうと思いました。ただ被告人はとても背が高かったので、被害者の方のことを思うと抵抗もできなかったと思います。今回の被告人は28歳の時にも一度犯罪を犯しているということで、初犯ではなかったのでとても生々しく感じました。(略)以前の犯罪から常に気をつけてはいたということですが、やはりお酒で酔ってしまって、このような状況になってしまったので、飲酒運転などその他の犯罪にもつながらないようお酒を飲む際は本当に注意が必要だと思いました。(A・O)

・被告人はお酒を飲むことをやめず、事件当日もお酒を飲んでいました。そのため事件のことを断片的にしか記憶していません。家にあった知らない財布を検察から見せられた映像を通して、自分がとんでもないことをしたと気付いたそうです。被告人は記憶がなかったと言っていますが、事件当日、コンビニやガソリンスタンドの監視カメラで被告人が相手を求めて物色しているところが映っていました。自分の酒癖が悪いことを認識していながら直そうともせず、過ごした結果この事件が起こってしまいました。自分に甘い被告は2度目の罪を犯したので刑が重くなると思うし、私もそれを望みます。(R・T)

 

④強盗強姦;

・あたりまえだけど、犯行時の場所、時間、その時の気持ちを検察官は明確に確認していてすごいと思いました。実際に起きた事件の被告人の気持ちを直接聞けることは本当に貴重だと思いました。(略)犯行時は相手の気持ちはどうでもよく、自分がよければそれでいいのかな、と思いいらだちました。これからどんな気持ちで生活するのか、被告人は周りの人の気持ちを考えるべきだと思いました。被害にあった人の気持ちを考えると本当につらく、話を聞いていてとても悲しい気持ちなりました。(Y・S)

・被告人は家族、子供がいるにも関わらず、二人の女性と付き合っていることに対して人として信じられないと思った。検察官や弁護人が色々と質問していることに対して「覚えていません」「わかりません」と言っているのが私には考えられませんでした。自分のしたことなのだから、覚えていないわけがないのに。被告人は見た目は普通の人なのに、あんなに怖いことをするなんて驚きました。今回被害にあった人は何も悪いことをしておらず、私自身、そんな目にあうかもなんて思ったことはなかったけれど、常に気をつけていないとだめだと思いました。 (A・J)