道徳・いのちの授業 ~臓器移植~

2014年3月10日(月)トキワ松のお隣の目黒区第八中学校で中学3年生の2クラスを対象に佐藤毅先生の「道徳・いのちの授業」が行われました。

        

見慣れない先生を前にして、少々緊張気味の中学3年生の男女。佐藤毅先生の「『道徳』という授業のイメージは?」という最初の問いかけにはなかなか声が上がりませんでした。しかし話が進み、「アンパンマンマーチ」が流れると生徒たちは意外な音楽にびっくり。一気に授業の雰囲気が和やかになりました。「アンパンマンマーチは皆さんが良く知っている歌だけれど、『生きるとは?』といった歌詞があって、とても深い内容なのですよ」という言葉を前置きに、「いのちのバトン(臓器移植)」のお話しが始まりました。

まず佐藤先生が強調したのは、「どのひとにも4つの権利がある」ということ。そして今回の授業は何か一つの考え方を押し付けるのではなく、自分の考えを持ち、深めていってもらうのが狙いということ。医学が進歩し、以前では不可能だった「いのちのバトン(臓器移植)」が可能になり、移植を望む人に可能性が生まれたことなどが、何枚ものスライドで示されながらわかりやすく説明されていきました。

2009年に「改正臓器移植法」が成立し、脳死になった人や家族が望まなければ臓器移植は行えませんが、本人の意思が不明確な場合、家族が望めば臓器移植を行うことができるようになりました。だから生前から「もし自分が脳死状態になっても、自分の臓器を他の方に提供しないでほしい」または「他の方に役立ててほしい」という意思表示が重要です。そのためには自分の考えを深め、人に伝えることが不可欠です。この授業の中では生徒二人でひと組になり伝える練習も行いました。最後はいのちの話にとどまらず、福沢諭吉の「学問のすすめ」や社会貢献の精神、責任感、他者との共生についての話にも触れ、これから生きていく上で大切なお話もありました。この日に学び、考えた移植の意思についての自分の意見、親の意見もまとめる宿題も出され、とても充実した時間となったようです。