いのちの講演会

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トキワ松学園では「生と性教育」の一環として、全学年を対象とした「いのちの講演会」を行っています。

今年度は11月21日(水)に、NPO法人「難民を助ける会」から東北事務局長 野際紗綾子(のぎわさやこ)さんをお招きし、「東日本大震災復興と私たちにできること」というテーマで講演を行いました。

野際さんは東京事務局にてミャンマー、スリランカなどでの緊急支援活動にずっと従事しておられた方です。2011年3月の東日本大震災発生直後から現地入りをし、事務所開設後、今日まで東北事務所長として被災者支援の陣頭指揮にあたっていらっしゃいます。
外資系銀行に勤務していてロンドン在住だった野際さんが、2001年9月11日のアメリカでおこったテロ事件をきっかけに大きく人生観を転換したこと、テロの背景には「貧困」があることに気がついたことなど、ご自身の活動に至ったお話から始まり、海外での難民支援の実際のお話し、そして東日本大震災での支援活動を分かりやすいクイズなどを交えながらお話しして下さいました。

例年ですと講演が終わって質問を募っても特に手が上がらないことが多いのですが、今回は中学生も高校生からも盛んに質問が出ました。講演を終えた野際さんからは「震災が終わったすぐにはあちこちで講演のお願いがありましたが、1年8カ月もたった現在はもう全然そういうお話がなく、『もしかしてもう震災について忘れられてしまったのかも』と心配していました。こちらこそ呼んでくださってありがとうございました。」という言葉も。

皆、野際さんのお話しを考え、真剣に自分にできることは何か考えたようです。以下は生徒たちの感想です。

東日本大震災で、叔父と叔母は宮城県に住んでおり、祖父母、いとこは青森県に住んでいて被災しました。特に宮城県に住んでいる叔父と叔母の家は2階建てのうちの1階まで波が来て、家具などが流れ、叔父は津波に流されました。(幸いにも車の上に乗っていて、次の日ヘリコプターに助けてもらいました。)親戚が被災したことや、今日の講演会を通して改めて地震がどれだけ恐ろしいものなのかわかりました。今年の夏に宮城県の親戚の家に行った際、まだ復興中であり、1年と数カ月もたっているのに状況は変わっていないのだなと思いました。そういう時だからこそ、自分のできるどんなに小さなことでもやるべきだと思いました。

今、東日本はどんな現状なのかわからなかったのですが、いのちの講演会を聞いてまだ大変なんだと思いました。私たちができることはほんの少ししかありませんが、支援が少しでもできるようにしていこうと思います。お話を聞いて、国際協力のことに少し興味を持ちました。私は英語が少し苦手ですが、もっと頑張って国際協力のように大変な人々を助けれられるような人になるのもいいかなと思いました。

去年の今頃に気仙沼を訪れて、テレビとは違う光景を見ました。実際に仮設住宅に行き、寒さを体験し、被災者の方のお話を聞きました。被災者の方からはいつまでも暗い気持ちでいるのではなく、先だけを見ていくような元気を教えていただきました。今日も話を聞いてちょっとしたボアランティア活動でも実行すればそれは大きな支えとなることが分かりました。大きなことを実行しようとして失敗するより、小さいことを積み重ねて実行していく方が被災者の方に喜んでいただけると思います。今回のこの会で、もう一度被災地に行き、ボランティア活動をする機会を作りたいと強く思いました。

私は国際活動に興味があるので、将来のためにも話を聞けて良かったと思いました。やはり英語力は大切だということなので、今から少しずつでも力がつくように勉強していきたいと思いました。そして支援もやってみたいと思っているので、今でもできるボランティアなどを探して、参加することも大事だと思いました。今は海外だけでなく、自分に一番身近な東日本大震災の支援をして少しでも復興の力になれることはないか考えてみたいと思いました。もっと東北などの被災地の現状を、日本中が知る必要があると思いました。