人生を左右する場にいて身が引き締まりました…高3裁判傍聴

1月16日(月)午後、高校三年生の22名は、「教養講座」として東京地方裁判所へ裁判の傍聴に行ってきました。日比谷公園の霞門に集合し、歩いて裁判所に向かいました。左手には厚生労働省の建物、少し歩くと国会議事堂の屋根が視界に入ります。裁判所に到着し「一般」の入り口から持ち物検査などを済ませて中に入りました。 この日は午後の時間帯だけでも選べるほど刑事裁判が開かれており、中には裁判員裁判の「判決」の予定も含まれていました。東京地裁で約3時間、傍聴を終えてまとめた「裁判傍聴記録」の中から生徒本人の掲載許可が出たものを幾つかご紹介したいと思います。

          Saibannboucyou

○ 初めて裁判を傍聴しましたが、とても静寂な雰囲気でこちらにも緊張感が伝わってきました。殺人未遂事件の法廷より、覚せい剤の事件の法廷は狭かったのが印象的だった。検察官の証人への尋問が厳しかったのもとても現実的でした。(M.S.)

○ 弁護人や検察官、裁判官など、被告人が犯した罪について諭しているように思えた。反省することや、罪の重さを熱心に言い聞かせていた。ただ、被告人があまり反省しているように思えなかったことと、再犯しているということが残念に思える。

○ ドラマなどで知った裁判風景とは違い、弁護人があっさりしていることに驚いた。また二種類の裁判をみたうち、被告人の罪が過失か故意であるかによって裁判官の対応が異なっている点も大切だと思う。(K.S.)

○ 被告人が外国人のため通訳人が一つ一つ述べていた。証人の証言などから、被告人は普段はとても真面目な人柄であることが分かった。裁判を通じて、たった一つの行動がその人の人生を変えてしまうことを実感した。(M.S.)

○ 被告人の様子は非常に反省をしていて、起訴状の内容を争ってはいませんでした。私が気になったのは、弁護人が「慰謝料の支払いで被害者の気持ちも和らいだ」と発言していたことです。被害者の心はそんな簡単なものではないと思いました。判決が気になります。(S.K.)

○ テレビで見るのとは違う気持ちで傍聴することができた。人の人生を左右する場だから空気が重く、こちらまで緊張した。(W.S.)

○ 裁判を傍聴する前は漠然と「被告人は悪いことをしたのだから、早く処罰されればいいのに」と思っていたが、被告人の答弁を聞けば聞くほど、被告人だけが悪いわけではないかもしれないと思えた。しかし、被害者の女性の事件当時受けた恐怖心や今置かれた状況のことを考えると、許されることのない犯行だと思う。今回の傍聴を通じて、裁判は被告人と被害者の人生が決まる大切な場ということの意味が分かったので、とても良い機会だった。(R.T.)