いのちの教育 ~移植コーディネーターに講義をしていただきました!~

 “いのちって?”トキワ松学園に入学すると、“いのち”について考える機会が多くあります。その中の一つで、12年前から、高校の保健の授業に臓器移植を組み込んでいます。11年前から、「生老病死」というストーリー性を持たせ、高校一年生で「生」について1年間学び考え、高校二年生では「死」に絞って授業をしています。
 高校二年生の2学期中の授業はすべて臓器移植について学びます。すぐに臓器移植の話しをするのではなく、生理学的な脳の話に始まり、脳の機能・特徴、4つの権利(臓器を提供したい・したくない・移植を受けたい・受けたくない)があることを徹底させ、続いて欧米との死生観の違い、拒絶反応、世界・日本の歴史や諸問題と展開させていきます。そして、最後に4つの権利について考えます。
 今回は初めての試みで、11月29日、30日の2日間、移植コーディネーターの方にお越しいただき、クラス毎に50分間「いのちの大切さ」という講義をしていただきました。実際の対応や症例を交えながら講義は進み、生徒たちは真剣に講義に聞き入り、貴重なお話を聞くことができました。

Photo_2  Photo_7
なお、この2日間の様子は日本臓器移植ネットワーク東日本支部発行の「東日本支部つうしん」に紹介されました。

<生徒たちの感想>
保健の授業で移植コーディネーターという名前とお仕事の内容を学び、元々興味をもって  いました。今回お話を聞き、私が想像していたよりもはるかに重く深く、とても辛い職業なんだとわかりました。・・・(略)・・・「死」は誰にでも突然起こりうることなので、一日一日を大事に生きようと思いました。

保健の授業でいのちについて考えてきて、今日、コーディネーターさんの普段はあまり聞けないことが聞けて本当によかったです。・・・(略)・・・将来、必ず関係することなので、きちんと考えていこうと思いました。改めていのちの大切さを考えることができました。

            
症例を聞き、涙が出てきそうになりました。移植がどれだけ深い意味をもつものなのかがわかり、すごく考えさせられました。他人事ではなく、自分の身のまわりに起こりうることなので、決して簡単に決めたりできないと改めて思いました。

私は家族でよく臓器移植の話をします。私の家族は皆、意思表示をしています。・・・・(略)・・・そこで私は、実際に意思表示カードに書くとなると自分の意思にまだ自信を持てない部分があることに気付きました。そんな中、高二の保健の授業や、今回の話を聞き、無理に意思を表示する必要はないのだと思いました。自分の意思に自信が持てるようになるまで、より深く考え、それから意思表示しようと思いました。

なお、三学期は「生命倫理」「安楽死・尊厳死」について学びます。